繊細で敏感な気質を持つHSPの方にとって、
「どんな仕事が自分にあうのか分からない」
という方も多いのではないでしょうか?
今回は世の中に様々な職種がある中でも、職業としている方が多いであろう「営業職」について、私の考えをお伝えしていきたいと思います。
私自身もHSPの気質ですが、営業職として長年働いています。
営業職はインセンティブなどもあり、他の職種と比べて比較的給料が高い点や、募集している企業も多い為、転職する職種として興味がある方も多いのではないでしょうか。
しかし、私の経験上HSP気質の方は営業職に向いている側面と、そうでないない側面があります。
あらかじめ理解しておくと良い転職に繋げられるでしょう。
この記事を簡単にまとめると
・むしろ強みとして活かす事ができれば良い仕事ができそう
・向いている営業のタイプ選びと、自分でコントロールしようという意識が大切
というような感じです。
参考になるような情報をご提供できればと思いますので、ぜひご覧ください。
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HSPが営業職に向かないと言われる理由
まずはHSPが営業職に向かないと言われる理由について見ていきましょう。
なんとなく向かないと思っている方も多いかと思いますが、いくつか具体例をご紹介します。
①ノルマがある
多くの営業職は、販売目標や売上目標といったノルマを課せられて日々仕事をします。
会社の存続や成長、社員の給料のために、営業が売上を上げてくることを求められる事は当たり前ですが、HSP気質を持つ方にとっては、ノルマが過度なプレッシャーとなってしまう事があり、それがストレスに繋がってしまうのです。
私の場合をご紹介すると、ノルマの達成度合いによって気持ちが大きく変化するようです。
ある程度ノルマの達成が予想できている時や、達成した時は、不安がなくなり仕事へ集中することができ、むしろパフォーマンスが更に上がります。
反対にノルマの達成まで遠い時や、見込みのないまま月末を迎えている時は、余計なことをあれこれ考えてしまい、仕事に手がつかなくなる悪循環に陥ってしまいます。
そんな時は明らかに自分でも冷静になれていないと感じ、気持ちをコントロールするのが難しいです。
②自分のペースで仕事ができない
お客さまと直接やりとする営業職は、頻繁にイレギュラー対応が発生するため、自分のペースで仕事をすることが難しいです。
お客様からかかってくる電話で長時間拘束されたり、突然のクレームで対応に追われたりと、落ち着いて仕事がしたいと思っても、思い通りならない事があります。
HSP気質の方は、自分のペースを確保できないと余計にストレスを感じてしまうため、自分には向かないなと思ってしまうこともあるでしょう。
③お客様に適さない商品を売らなければならない時がある
先程のノルマに繋がる部分もありますが、会社の商品がお客様にあっていないと感じるときでも、販売しなければならないことがあります。
HSP気質の方はそういったことを敏感に気にしてしまいますので、過度に後ろめたさを感じてしまいます。
私もお客様にとってあまり必要でないオプション商品を、会社都合でおすすめしなくてはならない経験があり、商談後にものすごい罪悪感を感じたことがあります。
④自らアプローチをしなくてはならない
営業職は売上を確保するために、自社の商品を利用いただいたことがある既存のお客様や、まだお取引のない新規のお客様に対して、自ら電話や訪問などでアプローチを行う必要があります。
特に新規のお客様に対する営業活動は特にストレスを感じてしまい、未知なる担当者を勝手に想像してしまい、アプローチの一歩を踏み出すのにとても時間がかかってしまいます。
HSP気質でない方も、営業活動が苦手という方もいらっしゃるとは思いますが、HSP気質の方は、そうでない方以上にエネルギーを使ってしまうため注意が必要です。
⑤上司の視線やプレッシャーを感じながら仕事をしなければならない
HSP気質の方は上司のプレッシャーにとても敏感です。
特に上司の機嫌については手にとるように分かりますので、機嫌が悪いと感じる時は、常に視線を感じてしまったり、普通にコミュニケーションを取っているだけなのに怒られているような感覚になったりします。
実際に怒られているわけではないから無視しようと考えれば考えるほど、そのことで頭がいっぱいになってしまったという経験もあり、本当に生きづらいと感じてしまうことがあります。
HSPが営業職で得られるメリット
向いていない理由をいくつか見てきましたが、実際に営業職である私からすると、営業職が向いていると思うこともいくつかあります。
ご自身の特性によって共感できる部分とそうでない部分があるかとは思いますが、個人的に感じる良い点を紹介していきます。
①外回りの営業の場合は1人になる時間が取れる
営業職は商談で外に出るということも多く、一人になる時間が取れることはとてもメリットです。
職場では上司の目線や同僚とのやり取りなど、あまり気を抜く事が難しいのですが、商談に向かう移動中の電車や昼食、商談終わりにカフェで休憩をするときなどは、神経を休めることが可能です。
HSP気質の方にとっては、適度な休憩が非常に大切になりますので、そういった点では常に事務所で仕事をしなければならない事務職よりもメリットと言えるのではないでしょうか。
②お客様の感謝が人一倍嬉しい
感受性が豊かなHSP気質の方は、お客様から感謝されると人一倍嬉しく感じることができます。
これはお客様と直接やり取りができる営業ならではの特権と言えるでしょう。
私自身も目標やノルマの達成以上に、お客様から感謝されると「営業職で良かったな」と感じることができます。
それが今も営業職を続けられている大きな理由の一つです。
③自分のペースで仕事ができる時もある
先程の向いていない理由と矛盾していると思うかもしれませんが、イレギュラーな対応がない時は自身のペースで仕事をすることが可能です。
連絡を取るタイミングや、やり取りの一連の流れについては、うまくお客様をコントロールすることができれば、ストレスなく仕事をすすめることができます。
私も業務の進め方について、お客様と歩調を合わせることを重視しており、お互いにストレスなく気持ちよく進められている時は、営業も悪くないなと思います。
④ハマるお客様にはとことんハマる
お客様のコントロールとも通じる部分になりますが、自分のことを信頼してくれていることを感じたり、話していて「気が合うな」と感じたりするお客様については、他のお客様と比較してもより仲良くなることができます。
私の経験では、自分と同じような気遣いをしてくれる人や、こちらの意図を十分理解してくれる方とは、とても気が合うようです。
直接確認はできませんが、同じHSP気質を持つ人同士は気持ちよく仕事ができているような気がするため、そういった方との出会いを楽しむことができるのも、営業の良い点と言えると思います。
HSP気質が営業職に活かせる強み
続いてはHSP気質方が営業職に活かせる強みについて見ていきましょう。
①お客様の発言の意図を理解できる
HSP気質の方は、その繊細な感受性によりお客様の発言をより深く理解することができます。
発せられた言葉だけではなく、言葉の強弱や微妙なニュアンスも感じ取ることができるため、その感じ取った内容をお客様にフィードバックできれば「気の利く営業」となれるでしょう。
②お客様への共感力が高い
お客様への共感力が高いのもHSP気質の強みと言えます。
しっかりとお客様の悩みや状況をヒアリングすることを意識すると、お客様も気持ちよくいろいろなことを教えてくれます。
色々と話しを引き出すことができれば、お客様により良い提案が可能になりますし、自ずと顧客満足につなげる事ができます。
③社内のチームワークが得意
営業職はお客様だけでなく、社内でも様々な人と協力して業務を行うスキルが求められます。
人に気遣いができるHSP気質の方であれば、その能力を活かしてうまく仕事をこなすことができるでしょう。
ちなみに私もそういった対人関係を円滑にすることが得意で、他のメンバーが嫌がるWEB系の気難しい担当者とも問題なくコミュニケーションをとることができます。
(それなりにエネルギーを消費しますので、リカバリーが必要ではありますが・・・)
HSP気質は営業職のタイプによって向き不向きがあります。
ここまでHSP気質の方が営業職に向いている点、向いていない点など様々ご紹介してきました。
個人的な見解としては、自分次第で仕事を楽しむ事もできるため、一概にHSP気質だからといって営業職を諦めるのは少しもったいない気がします。
ただ、一口に営業職と言っても様々なタイプがあり、そのタイプによっては精神的に辛くなってしまうものもあるかと思います。
最後に営業職のタイプ別にHSP気質に向いているもの、向いていないものをみていきましょう。
HSP気質に向いている営業のタイプ
まずはHSP気質に向いている営業のタイプを見ていきましょう。
①ルート営業
ルート営業とは、メインの顧客が自社の商品を既に利用していて、その顧客のフォローや状況に合わせて商品を販売するタイプの営業です。
既に自社の商品に理解があるお客様の対応なので、イレギュラーはそこまで多くない点や、担当する時間が長くなるにつれて関係も構築しやすいので、ある程度気の合う担当者とであれば、過度なストレスを感じる事なく仕事ができるでしょう。
ルート営業についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
ぜひご覧ください。
②個人向け営業
個人向けの営業職もHSP気質の方に向いていると思います。
法人営業の場合は営業をかける対象が、相手企業の窓口の担当者以外に、上席者や、決裁者など複数になる事があり、自ずと気を遣わなければいけない相手が増えます。
反対に個人向けの営業であれば、そう言った事は少ないので、ストレスを軽減できるでしょう。
また個人向け営業であれば、途中で相手の担当者が変更になるという事もあまりない為、深くお客様とコミュニケーションが取れ、HSP気質の強みを活かせるのではと思います。
③コンサルティングなどお客様に深く入り込む営業
コンサルティング系の営業もHSP気質が活かせる職種の一つと言えそうです。
コンサルティング営業で大切な、お客様の現状を引き出す為の深いヒアリングや、得た情報を元にして最適な提案を考える事は得意分野にできる方が多いのではと思います。
④反響営業
反響営業は、問い合わせがあったお客様に対応するタイプの営業です。
問い合わせは、WEB広告やチラシなどで獲得し、電話や問い合わせフォームから問い合わせがあった際に営業がクロージングを対応します。
自ら営業先を探して電話をかけたり、飛び込み営業を行ったりする必要がない為、新規開拓のストレスがない点がおすすめできるポイントです。
HSP気質が避けた方が良い営業職のタイプ
それでは反対に、HSP気質の人が避けた方が良い営業のタイプとはどのようなものでしょうか?
①新規開拓の割合が高い営業
テレアポや飛び込みなど、新規開拓業務が多い営業は避けた方が良いでしょう。
新規開拓は断られる事が大半です。
その為、断られる事が当たり前と割り切る事が大切なのですが、HSP気質の方は気持ちの整理が難しく感じるはずです。
②飛び込み営業
アポ無しの直接訪問を行う飛び込み営業もHSP気質の方には向かないでしょう。
訪問先がどんな状況かわからない中での飛び込み営業はとても気を遣いますし、断られることによって精神的にも厳しいので、すぐに疲れ果ててしまいます。
私も新入社員時代に飛び込み営業の経験しましたが、とても辛かった記憶があります。
その頃はHSP気質のことを知らなかったので、ただ辛いと感じていました。
今はHSP気質のことについて知識がありますので、自分に向かない仕事をしていたんだと理解しています。
③ノルマが高すぎる営業
ノルマが高すぎる営業もHSP気質には厳しいでしょう。
ノルマを達成するために、本来の自分のペースを崩さなければならなかったり、お客様にとって必要ない商品を勧めなくてはならない罪悪感を感じたりといったことが、自分を苦しめてしまうからです。
転職を検討する際は、自分にあう営業職かよく確認をしましょう。
ご紹介してきたとおり、営業のタイプによっての向き不向きがありますので、転職の際はよく注意してください。
求人情報を検索したり、転職エージェントからおすすめめを受けたりした場合は、主に下記ポイントをチェックするとよいかと思います。
求人情報だけで把握できないものは、面接時や、エージェントを経由して確認してみること良いでしょう。
・営業のタイプ(ルート営業・新規営業など)
・販売する商品に魅力があるか
・ノルマや目標はどのように設定されるか
・仕事のペースは自分に合うか
私はこうして営業職を楽しんでいます。
最後に、実際に営業職として働いている私が、営業職を楽しむために工夫している点をご紹介します。
ポイントは全部で4つ。
全ての方に当てはまるものではないと思いますが、共感いただけることが一つでもあると感じていただけると嬉しいです。
①お客様に何をしてあげると喜んでもらえるかを考える
HSP気質の営業職が辛いポイントとして、「販売すること」が挙げられます。
「営業職なのに販売することが辛いなんておかしい!」
と思う方多いと思います。
実際に私の場合は、「ただ販売する」という行為に対して非常に後ろめたさを感じてしまうのが正直なところで、
- 商品のことをきちんと理解していただけたのだろうか?
- 販売する商品はこれが適切だったのか?
- 私が営業担当で満足してもらえているのだろうか?
こんなことを思ってしまうことがあります。
この気にしすぎてしまう感じ、まさに自分がHSP気質だなぁと思ってしまう瞬間です。
逆に言うと、お客様に納得して契約いただけたり、お客様に感謝の言葉をいただいたりすると、売上の金額に関わらず充実した気持ちになることができます。
そのため、営業としてお客様と接する際は売り上げを上げることではなく、
「目の前のお客さまにどんな提案をすれば喜んでもらえるか?」
ということを意識して仕事をするようにある時から気持ちを切り替えるようになりました。
考え方を変えることによって、結果的に気持ちも前向きになり、営業成績もUPさせることに成功。
今では、このスタンスのおかげで自分は営業が続けられているんだろうなと思っています。
②営業は一種の「ゲーム」と捉える
営業はどうしても目標やノルマがついて来ますので、真面目に仕事をしすぎると数字に捉われすぎて思ったような仕事ができなくなってしましますよね?
特に私たちのようなHSP気質にとっては、こういったことが必要以上にプレッシャーになりますので、仕事が楽しめない一つの要因となってしまいます。
そんなことから、私の場合は、なるべく営業をゲームのように捉えるように意識しています。
ゲームのように捉えることにより、少し客観的なものの見方や、問題解決を楽しめるようになるのが不識なのですが、気の持ちようを大きく変えることができるのでおすすめです。
難攻不落なお客様をボスキャラに見立て、倒す(契約をもらう)ためにどんな武器(提案)を用意すればよいかを考えたり、たとえゲームに負けても(契約が取れなくても)またリベンジできると思うことができたりすれば、なんだか気分が軽くなるような気がしませんか?
どうしても肩に力が入ってしまうという方は、一度お試しいただけたらと思います。
③自分なりのこだわりを持つ
営業職だけではないと思いますが、仕事やそれ以外のことでも、自分なりのこだわりを持つことは非常に大事だと思います。
なぜなら、それが自分の自信につながるからです。
特にHSP気質は打たれ弱いため、何かあるとすぐにメンタルに影響が出たり、自信を失ってしまったりします。
そんな時に、仕事の中で一つでもこだわっていることがあれば、それが強い支えになって、踏ん張ることができるのです。
私自身も、「お客様を喜ばせたい」という部分にはこだわりがありますので、それを自分自身の軸として仕事ができている気がします。
そういったことを考えたことがないという方がいらしゃれば、ぜひ一度考えてみることをおすすめします。
④スケジュールやタスクの管理をしっかりと行う
どんな職種でもそうですが、気持ちに余裕がないことがHSP気質にとって一番のストレスポイントになります。
特に営業職は、担当するお客様の数が多くなればなるほど、対応することが増えやすく、気づいたら対応することが山のようになっているという事も。
イレギュラー対応も多い職種なので、いかに上手くこなしていくかが大事になってきますよね。
私もスケジュールやタスク管理には苦しめら得た経験があり、いろいろと工夫をしてきた一人で、今ではある程度自分自身の型というものができてきた気がします。
参考までに私が意識していることを挙げると
- すぐに手をつけない(必ず整理してから)
- 優先順位を意識する(急ぎでないものは後回しできるか検討する)
- タスクは全て書き出す(なるべく細かく)
などが挙げられます。
営業職と一言で言ってもさまざまな商材、販売までのフローがあると思いますので、自分なりの仕事のやり方を工夫してみると良いでしょう。
まとめ
HSP気質の方でも、自分に合った営業スタイルや企業で働くことができれば、十分に続けていくことが可能というのが私の結論です。
仕事を通してお客様を喜ばせたいという思考をお持ちの方であれば、HSP気質を自身の強みとして活かしていくことができるでしょう。
この記事が今後の転職時の参考になれば幸いです。
それではまた。